おすすめはどのグレード?新型シエンタの特徴、装備差を徹底比較。

おすすめグレード
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新型シエンタには、グレードは3タイプあり、廉価グレードのX、中間グレードのG、上位グレードのZ、というラインナップになっています。購入時には価格との兼ね合いもあり、大いに悩むところです。今回は、各グレードの特徴、差異を徹底比較していきますので、これから購入される方の参考になれば幸いです。

新型シエンタ全体のラインナップは18通り

自分が購入したのは、ハイブリッドZグレード5人乗りのFFで2023年1月に納車となったわけですが、新型シエンタにはハイブリッド車と純ガソリン車が用意されていて、さらにそれぞれ5人乗りか7人乗りを選ぶことができます。

さらにハイブリッド車には、FFかE-Four(4WD)も選ぶことができます。残念ながらガソリン車では4WDを選ぶことができません。
これは低床を実現するため、構造的にドライブシャフトを通せないのがその理由です。E-Fourではリア用にもモーターを搭載しているので、ドライブシャフトは不要で、スペース効率良く4WDを実現することができます。

全体では、ハイブリッド車/ガソリン車、7人乗り/5人乗り、Z/G/Xグレード、FF/E-Fourの組み合わせで、18通りもの組み合わせがあることになります。

新型シエンタ:ハイブリッド車価格(メーカー希望小売価格[万円]:2023年6月現在)

グレード7人乗り/2WD7人乗り/E-Four5人乗り/2WD5人乗り/E-Four
Z291.0310.8287.0306.8
G269.0288.8265.0284.8
X242.0261.8238.0257.8

新型シエンタ:ガソリン車価格(メーカー希望小売価格[万円]:2023年6月現在)

グレード7人乗り/2WD5人乗り/2WD
Z256.0252.0
G234.0230.0
X199.0195.0

価格差はこんな感じ。

  • 7人乗り vs 5人乗り: 4万円
  • E-Four vs FF: 19.8万円
  • ハイブリッド車 vs ガソリン車: 35万円(Xグレードのみ43万円差)
  • Zグレード vs Gグレード: 22万円
  • Gグレード vs Xグレード: 27万円(ガソリン車は35万円差)

GグレードとXグレードの価格差は、ハイブリッド車27万円でガソリン車35万円と8万円の差があります。
これは、装備に差があり、「スマートエントリー&スタートシステム」と「オートエアコン」がXグレードでは省かれていて、通常の「ワイヤレスドアロックリモコン」と「マニュアルエアコン」が採用されているからです。何としてでもガソリン車のXグレードは200万円以下に抑えたかったという強い意志が感じられます。

心理的に、200万円切った価格だと俄然興味が湧いてきます。メーカーの販売戦略というヤツですね。

Xグレードはガソリン車で200万円を切るエントリーグレード

Xグレードは質実剛健タイプで、コスパ重視の最廉価モデルです。快適装備はいらないけど予防安全のTOYOTA Safety SenseはGグレードと差がなく、価格重視で必要十分な機能があれば良い人やレンタカーに向けたモデルで、新型シエンタが購入しやすい価格ということをアピールする見せ球モデルです。

Xグレード エクステリア インテリア
  • 装備は必要最低限でコスパ最高
  • 外観は派手さがなく地味、よく言えばシックな感じ
  • 質実剛健で基本性能を重視する人向け

ガソリン車を選べば、5人乗りで195万円、7人乗りでも199万円と200万円を切るとても安い価格が魅力です。この価格を見ると、ついディーラーに足を運びたくなっちゃいますよね。ズバリ、そのきっかけ作りのための価格設定ですね。

それでもLEDヘッドランプやLEDテール&ストップランプもついてますし、助手席側のパワースライドドアもついてます。外観や内装の質感もあまり気にならないということであれば、ちゃんと走って止まって安全という基準では、別車種で下位モデルの上級グレードを購入するよりも、満足度は非常に高いです。新型シエンタは、このクラスで走りや安全性においてトップクラスだと断言できます。
質実剛健で基本性能重視のかたには良い選択肢になるのではないでしょうか。

唯一残念なのはボディカラーの選択肢が少なく、ホワイトパール、ブラック、ベージュ、アーバンカーキしか選べません。ダークグレー、ブルー、スカーレットが良いという方は必然的にGグレード以上を選択する必要があります。

結論: Xグレードは、特に外観にこだわりはなく、とにかく安く買いたい、でも5ナンバーサイズのミニバンが必要な方にはおすすめのグレードです。

バランスが取れた売れ筋のGグレード

GグレードはXグレードに比べ、ハイブリッド車では27万円(ガソリン車では35万円)高くなりますが、その分装備が充実し、バランスの取れた装備と価格が魅力的な売れ筋のグレードと言えます。

Gグレード エクステリア インテリア
  • 厳選装備充実でバランスの取れたグレード
  • ボディカラーは全9色から、内装もブラックだけでなくカーキも選択可能
  • 価格は抑えたいが装備は重視する人向け

Xグレードとは外観上、差がありませんので、そのほとんどが装備差ということになります。

GグレードにはXグレードに比べ、ディスプレイオーディオ(8インチ)+前方ドライブレコーダー+バックガイドモニター、ETC車載器、ブラインドスポットモニター(BSM)、パーキングブレーキ(後方接近車両)、運転席シートバックUSBポート&スマホポケット、ファブリック巻きドアアームレスト、パワースライドドア(デュアル)、スマートエントリー&スタートシステム+オートエアコン(ガソリン車)が装着されていて、納得感のある装備差なんじゃないでしょうか。

それ以外には、オプションとして選択できるものが増えていて、アルミホイール、ハンズフリーパワースライドドア、天井サーキュレーター、ナノイーX、ファブリックシート(消臭・撥水撥油機能付き)、ディスプレイオーディオ(10.5インチ)、コンフォートパッケージ(UV・IRカットガラス、シートヒーター、ステアリングヒーター、本革ステアリング)を選ぶことができるようになっています。

ボディカラーもオプション色含め、全色から選べます。ただし、内装色はブラックかカーキのどちらかとなり、明るい内装色のフロマージュは選ぶことができません。とはいえ、オプションの選択肢も豊富ですし、中間グレードのため、価格的にも(選択するオプション次第ですが)お得なグレードと言えます。

結論: シンプルな外観や内装が好みで、価格は抑えたいけど装備には拘りたい方には、バランスの取れたGグレードがおすすめです。

Zグレードは見た目重視で快適装備充実の上位グレード

Zグレードは最上位グレードとなり、唯一見た目が異なり、パッと見の印象はすこぶる良いです。
と言っても違いは、Bi-Beam LEDヘッドランプ+ターンランプ+クリアランスランプ、LEDライン発光テールランプ、グリルモールの金属調塗装、ホイールキャップのダークグレー塗装、という程度です。この程度と言ってもGグレードやXグレードはオプションでもこの外観にすることができませんので、この外観が欲しい場合は必然的にZグレードとなります。

Zグレード エクステリア インテリア
  • 唯一、Bi-Beam LEDヘッドランプ、LEDライン発光テールランプを搭載
  • オプション不要なほど快適装備が充実
  • 内装はブラック、カーキだけでなくフロマージュも選択可能
  • 見た目も装備も充実させたい人向け

メッキ加飾やエアロパーツなどの派手目なパーツがついているわけではありませんが、人の顔と同じように、Bi-Beam LEDヘッドランプ+ターンランプ+クリアランスランプが装着されるだけで、目元の印象が全く違うので、インパクトが非常に大きいです。
ヘッドランプの縁取るように配置されているクリアランスランプが特徴的で、目元がパッチリしているような印象を与えます。この違いだけでもZグレードの価値があり、選択する人が多いのではないでしょうか。

Zグレード Bi -Beem LEDヘッドランプ LEDラインテールランプ

ただ、このクリアランスランプは、最近搭載車が増えてきた昼間でも光るデイタイムライトではない点が、少し残念なところです。

それ以外に機能的な差別ポイントとしては、ハンズフリーパワースライドドア、エレクトロシフトマチック(ハイブリッド車)、本革巻きステアリング、オプティトロンメーター+7インチマルチインフォメーションディスプレイ、ファブリック巻きインストルメントパネル+ドアアームレスト、運転席アームレスト、後席サンシェードが装着され、追加料金なしで内装色フロマージュを選択することができます。

あと、カタログやWebサイトで気づきにくい所としては、シート表皮で素材はファブリックで同じなのですが、Zグレードは消臭・撥水撥油機能付きとなっていて、触り心地が全く異なります。カタログで謳っている、「リビングみたいにくつろげる。使い心地のいい空間。」を感じるには、Zグレードのシートです。これは試乗車や展示車で、実際に触ったり、座ったり、くつろいでみて、その心地よさを体感して欲しいですね。幸いGグレードを選択しても有償オプションで選ぶことができます。

その他には、アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ+床下透過表示機能付きパノラミックビューモニターがZグレード専用オプションとなってますので、アドバンストパーク機能が絶対に欲しいという方は、Zグレードを選ぶしかありません

ZグレードとGグレードの価格差は22万円で、これだけの装備が手に入るわけですから、お得感はあります。ただ、絶対的な価格を見るとハイブリッド車を選択した場合、7人乗りのFFで291万円と300万円に届きそうな価格になっていて、Xグレードのガソリン車と比べると100万円近く価格差となってしまいます。でもまあ、比べるまでもなく、装備も動力源も違うので。

結論: 外観も内装も拘りたい、なんと言っても装備充実、より快適に車ライフを楽しみたい方におすすめのZグレードです。

ハイブリッド車のコモディティ化!?

もはやハイブリッド車は珍しくもなく、中でもトヨタの売れ筋は圧倒的にハイブリッド車です。どちらかというとハイブリッド車が標準車で、ガソリン車がオプション的な扱いになっているのではと考えさせるような、ハイブリッド車の車種展開です。

それを象徴するように、新型シエンタでは、ガソリン車の見分けがごく一部の差でしかできない状態になっています。これまでのトヨタ ハイブリッド車はフロントのトヨタエンブレムがハイブリッド車では一部ブルーが入っていましたが、新型シエンタでは、それがなくなりガソリン車と同じブラックとなっていて、フロント側からでは全く見分けがつかず、違いはリアのハイブリッドエンブレムのみとなっています。

ハイブリッド車 エンブレム

まあ、ハイブリッド車はもはや特別でもないし、そもそも主張するものでもないので、大いに結構と自分では受け入れています。

新型シエンタの価格設定は決して高くない!

新型シエンタの価格については、ハイブリッド車とガソリン車を用意しているため、ガソリン車のXグレードは200万円を切る、とてもお得な価格設定なのですが、ハイブリッド車のZグレードになると300万円近くになってしまい、あれっ結構高いな、と感じてしまいます。

ですが、Zグレードの場合、必要な装備は大体揃ってますので、オプションでビックリするほど高くなるなんてこともありませんし、トータルの支払い金額はそんなに高くない感じになるはずです。

実際に自分が購入した際はオプションは5つだけと安上がりになりました。例えば他の車種だと、ナビを付けるために高額なオプション料金を支払う必要があったりする場合があるので、車両価格は安く見えてもトータルの金額がびっくりするほど高くなったりします。

また、安全装備はこれ以上つけるものがなくフル装備ですので、安全装備を減らして安い価格設定になっている車種と比べると、価格設定は良心的とも言えます。

新型シエンタは、ノア/ヴォクシーが大きく高くなってしまったので、その受け皿として許容できるだけの装備、質感を備えていていますし、逆に軽のハイトワゴンは200万円前後とかなり高価になってきていることもあり、価格設定としては高めではありますが、装備や質感を考えると妥当な価格設定なのかな、と考えます。

また、コンパクトカーからのアップグレードとしても、大きくなり過ぎず、運転しやすく、手が届きやすい、と三拍子揃ってますので、納得できる価格なのではないかと。
実際に自分はフィットe:HEVからの乗り換えだったのですが、納得できるコスパでしたので購入に踏み切りました。実際に新型シエンタは毎月の登録台数で常に3位以内に入るほどの人気車種になっていることからも、その実力が証明されているのではないでしょうか。

また、新型シエンタはハイブリッド車でもガソリン車でも、どのグレード購入しても、基本的なところである、走って曲がって止まる、がちゃんとしているということ、安全装備が充実しているということ、内装の質感もコストをかけずに上手く安っぽく見せない仕上げになっているので、非常に満足感が高いです。

新型シエンタは2022年8月に販売開始し、そろそろ1年が経過するため、値引きも期待できる時期に入ってますので、それも考慮するとますます買い得になってくるのではないでしょうか。