新型シエンタの細かい使い勝手を再レビュー15項目!納車後7ヶ月経過するも不満はごくわずか。

再レビュー
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走行距離はまだ3000kmと少ないのですが、2023年1月末に納車され7ヶ月が経過した新型シエンタのハイブリッドZ(5人乗りFF)について、細かい使い勝手まで含め、再レビューしていきます。

相変わらず、燃費も良いし、走りも良い

先日ようやく3回目の給油となり、890.7km走り33.0L入りましたので、満タン法で27.0km/lとなりました。車載燃費計の方は27.5km/lでしたので誤差は98%ということになります。
夏場になり、エアコンの使用頻度が増えたこともあり、条件が良くても30km/l超えはなかなか難しい時期ですが、それでも平均燃費が27km/lを超えているのは本当に感心するばかりです。

前回ガソリンを入れたのは3ヶ月も前なのですが、その間にガソリンが高騰し、レギュラーガソリンで149円/Lだったのに今回は166円/L(値引きあり)と、1Lあたり17円も値上がりしていてビックリしました。新型シエンタはハイブリッドでレギュラー仕様ということもあり、かなりリーズナブルなのではありますが、これが仮にハイオク仕様で12km/lくらいの燃費だったとすると、ガソリン代は2倍以上になりそうで、想像するだけでゾッとします。

新型シエンタのハイブリッドは燃費が良いだけでなく走りもよく、自分は30年以上様々な車を乗り継いでいますが、今まで乗った車の中でベストバランスといえる1台であると太鼓判を押せます。自分一人のみ乗車時は常にエコモードで十分です。このエコモードは、ありがちなアクセル開度に対しての加速のもっさり感があまりなく、ちょっとパワーが抑えられたような感覚で違和感が少なく、エコモードを常用しても問題ないレベルです。さすがに5人フル乗車の場合には、エコモードだと厳しいので、ノーマルに戻す必要があります。

特筆すべきは、オールマイティで基本性能高く、バランスが良い

まず、特筆すべきは、5ナンバーと言うサイズ制限を守りつつ、ファミリーカーでありミニバンでありコンパクトカーであり、街乗りも高速走行もOK、旅行もキャンプもOKと、何でも来いのオールマイティということです。(当然ながらスポーツカーにはなり得ませんが。。)

さらには、動物のようなファニーな顔つきとは裏腹に車としての基本性能もすこぶる高く、いわゆるギャップ萌え(なのか?)でバランスのよさが際立っているんですよね。

ミニバンが苦手とする、山道の上り下りやカーブの連続なども必要十分、いやそれ以上に難なくこなしてくれます。これは、ばね上制振制御で前後の揺れを軽減してくれているのと、プロアクティブドライビングアシスト(PDA)により、カーブでのブレーキ制御が介入するため、スピードの上げすぎでコーナーに進入しないように制御されていることが、かなりの効果を発揮していると考えています。

さすがにフル乗車での山道は、カーブでキャパオーバーのように感じられ、15インチの65タイヤでは厳しく、扁平率の低い50、55やさらにはインチアップが必要なのかなと感じます。

いくつか小さなネガはありますが、いや本当に良い車だなあとつくづく感じます。次世代スタンダードと言える車で、老若男女誰にでもお勧めできると断言できます。

細かい使い勝手を再レビュー

これまでもレビュー記事をいくつか書いてきましたが、あまり触れてこなかった細かい点について、再レビューをしていきます。

欠点についてもこちらの記事で記載してます。

では早速、細かすぎるレビュー、していきます。

その1.キーロック、アンロック時のアンサーバック音が素敵!

スマートキーのキーロック、アンロック時のアンサーバック音が、ありきたりなピッとかピピッといった電子音ではなく、近未来的な音で好みです。音の表現が難しいのですが、施錠時はフォンと一回なり、解錠時はフォンフォンと2回なります。

この和音のような音は心地よいですし、他車との差別化ができていてイイですね。これは納車されてからでないと気付きにくいので、気になる方はぜひ事前に聞いておいて欲しいところです。

ハイブリッドモデルのみこの洒落た音が出るようで、ガソリンモデルでは従来のようにピッとかピッピッとなるようです。ハイブリッド車では車両接近通報装置が付いていて、低速でモーター走行時にエンジン音の代わりに、エンジンルーム内にあるスピーカーからモーターが回転しているような音を出します。このスピーカーシステムがハイブリッド車にのみ装着されるので、ついでにドアロック、アンロック時の音もここから出すようにしているようです。

納車されてから程なくして、施錠時にフォンという音が8回鳴って何だろうと思い調べたところ、後席に荷物の置き忘れや子供等の置き去り防止のための警告音でした。乗車時にリアスライドドアを開け閉めして、降車時にリアスライドドアの開け閉めがないと、この警告音が鳴るようです。

車両設定からこの警告音解除の設定ができるので、気になる方はオフにしておいた方が良いです。自分もすぐにオフ設定に変更しました。ただ、子供の置き去りとか大事な荷物を置き去りにする可能性がある場合は、本当に便利な機能なので、オフにしないことをお勧めします。

その2.パワースライドドアの予約ロック機能が超絶便利

パワースライドドア予約ロック

これはパワースライドドアを閉めている途中でフロントドアでドアロックセンサーに触れておくと、パワースライドドアが完全にしまったと同時にドアロックしてくれるという、せっかちな人には超絶便利な機能です。パワースラドドアが閉まるまで待つのって、結構もどかしくてイラッとしますよね。最近のパワースライドドア搭載車はあたりまえのように装着されているようですが、自分は初めての経験だったので、感激です。

その3.バックドアでもドアロック操作ができて便利

バックドア ドアロックボタン

バックドアにはオープンボタンがあるのは当然ですが、バックドアを閉めたあとにドアロックする際にドアロックボタンも用意しているのが何気に便利です。わざわざスマートキーでロックする必要もないですし、運転席や助手席のドアまでいってドアロックするのは面倒ですし、以前乗っていたフィットには付いてなかったので、なおさら感動です。フィットはハッチバックでシエンタはミニバンだからなのか、ホンダとトヨタの考え方の違いなのか分からず、付いてて当たり前なのかもしれませんが、かゆいところに手が届く便利機能です。

その4.パワーウィンドウのワンタッチオープン/クローズが、すべての窓に対応

ワンタッチオープン/クローズ

運転席のワンタッチオープン/クローズはほとんどの車で対応していると思いますが、新型シエンタは、すべての窓がワンタッチオープン/クローズに対応しています。自分はエアコンが苦手で自然の風が好きなので、窓を開けて走行することが多いのですが、4つの窓をすべて開けていると、閉めるときにワンタッチクローズができると本当に楽です。これも以前のフィットでは運転席のみだったので、その差は歴然です。

あと、なにげに便利なのはパワースイッチをオフしたあとの45秒間やアクセサリーオン時でも、45秒間はパワーウィンドウの操作が可能なところ。この機能が無いクルマだと、パワーオフ後に、あれ窓ガラス動かない(・・;)、という状態に陥り戸惑ってしまいます。地味にあってよかったと思える機能です。

その5.フロントドアのプルハンドルが他車と違い上部に!?

プルハンドル

これは、過去レビューでも触れていて賛否両論ありますが、7ヶ月経過しかなり慣れてきて非常に使い勝手が良く、風などでドアが煽られる時でも、パッと手が届きやすく、理にかなっている感じです。また、掴み心地もグリップ形状になっているため手にしっかりとフィットし、ドアの開け閉めの一連の動作が本当に快適です。使い込んでいくうちに、じわじわと良さが伝わってくるタイプのやつです。

その6.低床330mmによる後席の乗り降りのしやすさは抜群!

低床330mm

これは子どもがというよりも、やはり年配の人や足腰の悪い人には、本当に楽で安心して乗り降りができることが実感できます。実際に義母が高齢なのですが、らくらく乗り降りすることができてます。スライドドアとフラットな床という組み合わせは最強ですね。あらゆる人に優しいです。アシストすることなく自分一人で乗り降りできますからね。

その7.ディスプレイオーディオPlusはシームレスデザインでグッド

シームレスデザイン

標準搭載のディスプレイオーディオは8インチなので、縁が残り完全なフラットではありません。オプション設定の10.5インチ ディスプレイオーディオPlusを選ぶと、フラットな形状で全面クリアパネルとなるため、はめ込み感や後付け感がなく、さすがのメーカーオプションといった感じでかなりの好印象!クリアパネルは指紋が付着しやすいのが難点ですが、フラット形状なので拭き取り掃除が非常に楽ちんです。そもそも10.5インチに合わせたパネル形状になっているので、10.5インチを装着して本領発揮といったところですね。

その8.フロントシートウォークスルーは荷物置きとして使い勝手良し

ウォークスルー

センターコンソール部分にはコンソールボックスがなくウォークスルーが可能となっているのですが、本来はウォークスルーとして使うのでしょうけど、実使用的には手荷物を置くのに最適で、センターコンソールがなくてよかったとつくづく感じます。まあ、ほしい方はオプションでコンソールボックスが用意されているので、どちらのニーズにも対応できるようになっているところは評価すべき点です。

その9.インテリアは安い素材だけど配色やデザイン良し

インテリアデザイン

Zグレードのインテリアは高見えするわけではなく、はっきり言ってしまうと高級感はない(どちらかというと安っぽい)のですが、配色とか雰囲気はリビング感覚で落ち着く感じ。自分好みです。

他のグレードだとインストルメントパネルがファブリック巻きじゃなかったり、シートの素材が違ったりするので、あくまでZグレードでの感想です。Zグレードではブラックだけでなく、カーキやフロマージュを選べて、自分はカーキを選んだのですが、カップホルダーや小物入れ等に差し色のオレンジが効いていて、センス良い感じ。ただ、オープントレイは浅くて滑りやすく、小さすぎる小物入れは何に使うんだろうと言う感じで、収納スペースの使い勝手があまりよくないところは残念なポイントですね。

その10.後席サンシェードは夏場にありがたみを実感

後席サンシェード

これはZグレードだけの装備ですが、後席はエアコンの吹出口がないため、夏場の後席はエアコンの風が届きにくく、その際にサンシェードが効果を発揮します。直射日光を遮り体感温度をかなり下げてくれます。自分はシートヒーターやスタアリングヒーターなどが付くパッケージオプションを装着しなかったですし、窓ガラスにIRカット機能も付いていないため、このサンシェードは非常にありがたい装備です。

その11.大きく思いバックドアには悲鳴

バックドア

バックドアが大きくて重いのは、本当に勘弁してほしいです。ここはコストをかけられなかったと感じる部分で、非常に残念なところです。小柄な人は本当に閉めるのが大変です。まあ大抵の荷物は、後席が空いてればそこに置けるので、バックドアを開けずに済むのですが。。いっそのこと、ガラスハッチを採用するとか、観音開きにするとか、デザイン的にもアクセントになるし、良いアイデアだと思うので、ぜひこの意見を採用してほしいです、トヨタさん!

その12.上質感を演出するばね上制振制御

サイドビュー

ハイブリッド車のみに搭載される、ばね上制振制御がかなり効いているようで、アクセルオン/オフ時、ブレーキを踏んだ時の前後揺れを抑えてくれるため、多少粗っぽいアクセルワークやブレーキングでも揺れが少なく、言い過ぎかもしれないけど、高級車に乗っているような上質さすら感じます。モーターを使っているからこそできるリアルタイム制御で、全く違和感は感じないですね。

ただ、そのばね上制振制御の副作用というか、加速感が感じにくいというデメリットがあります。パワーモードで全開加速をした際に、あまり加速感を感じないのはそのせいかもしれません。

その13.乗り心地は快適そのもの

65扁平

路面の小さな凹凸やうねりを乗り越えたときは、うまくいなしてくれる感じで、上々な乗り心地です。段差でもショックは受けるが当たりはソフトで、これまた良い感じです。反面、踏切を渡るときとか、ある一定のストロークを越えるような大きな段差だとガツンと来る感じ。タイヤの扁平率が65なので、もしかしたらタイヤでショックを吸収している面が大きいのかも。

高速でも乗り心地が良いのは変わらずですね。かといってフワフワするわけではなく、高速域でもフラットで快適な走行性能で、レーンチェンジでも安定感は抜群で、乗り味はかなり良い部類に入ります。変な揺れがなく、ビシッと走るので、直距離走行でも疲れにくく、安定感のあるレーダークルーズコントロール+レーンキープアシストを使うことで、高速での長距離クルージングにも適応できる実力持っていると言えます。

高速での難点は、風切り音が大きめというところですね。コレばっかりは、ミニバンの車体形状によるもので、残念ながら避けられません。

その14.ステアリングの軽さは慣れの問題?

ステアリング

新型シエンタのステアリングは、軽いのですが非常にスムーズでナチュラルなので、不安はありません。ただ、5人フル乗車だと、ステアリングが軽くなる感覚になり路面からのインフォメーションが少なくなったようなイメージで、もともとステアリング操作が軽いこともあり、若干ステアリング操作に不安な感じが出てきます。もしかしたら重量バランスが崩れ、フロントの荷重が少なくなったからなのかもしれません。ここは惜しいところですね。

また、せっかくの電動パワーステアリングなので、例えばドライブモードをパワーモードにしたら、ステアリング操作も重くなるような設定ができると、ユーザビリティが良くなる気がします。

その15.後席中央のヘッドレストは視界の邪魔

リアセンターヘッドレスト

バックミラーで後方を見ると視界に入るのが、後席中央のヘッドレストです。安全性を確保するためにヘッドレストは必要なのですが、いかんせん視界の邪魔。5人乗ることが少ないので、普段は外して、デッキアンダートレイに収納してます。ハイブリッド車のデッキアンダートレイは補機バッテリーが搭載されるため、収納スペースは小さいのですが、ヘッドレストはなんとか収納できます。

まとめ

納車から7ヶ月が経過しても、なかなか致命的な欠点が見つからないので、本当に良い車なんだと確信しています。でもマイナーチェンジとかでいくつかの欠点が改善されたら、さらに魅力が増してしまいますね。他車の動向も見つつ、また新型シエンタの魅力を再確認し、比較等していきたいと思います。特にホンダ フリードはモデルチェンジが近いという噂ですので、いま気になっているところです。